続・ユビキタスの街角

ユビキタスの街角(http://tmasui.blogspot.jp/)から引っ越してきました

学会で学生がいい加減な発表をした場合、重鎮な先生が意地悪な質問をして学生を追及することがよくあるものである。 これは質問という形態をとっているけれども実際は教育的指導であり、イジメに近いこともある。 こういうことが多いため、「これは本当に質問なんですが」などと前置きしてから質問する人がいるほどである。

こういう質問をする質問者は発表者よりも有利な立場にいるので表情には余裕があるものであり、 笑みをたたえながら質問することもあるだろう。 教育的指導をしようとするときは 怖い顔で叱責するよりもフレンドリーに対応した方が良いと普通は思うだろうから、 ニコニコした顔で質問することは正しいように思われるが、 そういう態度は逆効果な可能性も考えられる。 ニコニコ顔で鋭い質問をされたら、質問された方はかなりのヤバさを感じるだろうし、 質問者の「上から目線」に反発する可能性も高い。 質問する側は優しく指導するつもりであったとしても、 質問される側は「上から目線でイジメられた」と感じてしまうことになる。

こういう問題をなくすためには、

  • 教育的指導という意味で質問しない
  • ニコニコした顔で質問しない
ということが重要になるかもしれない。

1991年ごろ、私は$4000で買ったNeXTStationという計算機を使っていた。

NeXTStationはSteve JobsがAppleを追い出されて作ったNeXT社で作ったUnixワークステーションである。 「メガピクセル」ビットマップディスプレイの上でNeXTstepウィンドウシステムが動き、 Interface BuilderというGUI作成ツールとObjective-Cでアプリを作ったり、 EmacsとTeXで論文書いたり、 Diagram!というお絵描きシステムで図表を作成したりしていた。 その後NeXT社はAppleに買収され、NeXTstepはMac OS Xとして生まれ変わったわけだが、 最近の私はInterface Builderを含むXcode上でObjective-Cでアプリを作ったり、 EmacsとTeXで論文書いたり、 Diagram!の後継システムであるOmniGraffleというお絵描きシステムで図表を作成したりしている。

...と考えてみると、やっていることが20年以上前からほとんど変わっていないことになる。 計算機環境はずいぶん進歩したように見えるのに、 20年前と違うのはWebぐらいだというのは情けない話である。 これで良いのか根本的に考えてみる必要がある気がする。

江戸の長屋はこういう感じだったらしい。

狭いし/風呂は無いし/トイレは共同だし/楽しいものが何もなくてサイアクだと普通は思うだろうが、 以下のような状況だったらどうだろうか?

  • 障子のスクリーンに何でも表示できる
  • 囲炉裏キーボードでtwitterでもFacebookでもやり放題
  • 普通にWifiでタブレットも使ってる
  • 神棚がサーバやセンサやプロジェクタを統括してる
  • 電子書籍使ってるから本棚が要らない
  • 隣がコンビニなので冷蔵庫が要らない
  • 良いレストランがいくらでもあるから台所はボロくても無問題
  • 近所の風呂屋は広くて快適
これで家賃が安ければ不満無く暮らせそうな気がする。 最近のIT技術をうまく使えば長屋のような環境でもゴキゲンに暮らすことが可能だろうし、 もっと良い場所ならなおさらである。 長屋でも快適に暮らせるようにするためのユビキタスコンピューティング技術を研究開発すべきだと思っている。

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