続・ユビキタスの街角

ユビキタスの街角(http://tmasui.blogspot.jp/)から引っ越してきました

2014年09月

カッコ良い車とかカッコ良い腕時計とかが存在することは誰もが認めると思うが、 こういうテクノロジーが出現するまではこのようなカッコ良さは存在しなかったわけだから、 これらは新しいテクノロジーによって新たに出現した新しいカッコ良さだということができる。

最近の計算機製品はカッコ良さが重要になってきているようだが、 誰もが認めるカッコ良い計算機の形状とか使い方とかはまだ確定していないようだし、 もっと斬新なテクノロジーから新しいカッコ良さが出てきても良いはずである。

最初からカッコ良さのことを考えて新しいテクノロジーを開発する人はまだ少ないと思うが、 Steve Jobsなど一部の人間はそういう思考が出来たので成功したのかもしれないわけで、 実現可能性はとりあえず置いておいてカッコ良いテクノロジーについて考えると有益かもしれない。 たとえば、時間を知るために左手を見るような行動は明らかにカッコ良くないので、 時間を知るためのカッコ良い行動を考えてからそのためのシステムをデザインするといいかもしれない。

私は長年計算機のユーザインタフェース手法について研究しており、 自分で作った テキスト入力システムWikiメーリングリスト管理システム画像キャプチャシステム予測インタフェースシステム などを毎日便利に使っているのだが、 他のユーザインタフェース研究者が作ったシステムに普段どれだけお世話になっているか考えてみたところ、 ひとつも思いつくことができなかった。 もちろんパソコンのOSや言語処理系やGUIには毎日お世話になっているし、 ブラウザや様々なWebサービスにもお世話になっているし、 各種のElispプログラムやブラウザ拡張機能などにもお世話になっているのだが、 ここ何十年かのユーザインタフェース関連学会で論文として発表されたシステムを自分は全く使ってないことに気付いて愕然としてしまった。

たまたま自分だけがそういう状況なのかと思っていろんな人に聞いてみたのだが、 ユーザインタフェース研究論文として発表されたシステムを常用している人をほとんど発見できていない。 T-Cube を日本語に対応させた「フリック入力」ぐらいだろうか。

ユーザインタフェースの研究を行なってる人達が、 これまでのユーザインタフェース関連の研究結果をほとんど常用していないのであれば、 ユーザインタフェースの研究など全く無価値なのではないかと思ってしまう。 「自分はXXXさんの研究成果であるYYYというシステムを愛用してる」という人はぜひ事例を教えていただきたい。

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