ネットから制御可能な hue というLED電球が面白い。 iPhoneやAndroidのアプリから明るさをコントロールできるうえに、 公開APIを使えばパソコンからネット経由で自由に制御することができる。 ネットから制御できる電球はいろいろ提案されているのだが、 今すぐ買ってすぐ便利に使えるところがありがたい。

赤外線リモコンを使ってワイヤレスに制御できる電灯は現在普通に売られているし、 ネットから制御できたら何が面白いの? と思う人もいるかもしれないが、 ネット経由で自由に制御可能な製品が増えることによって 日常的な機器の操作インタフェースに関する意識が変わっていくことを期待したいと思っている。

現在の家庭やオフィスの電灯は部屋の入口付近のスイッチでコントロールするのが普通であり、 電灯が複数ある場合は複数のスイッチが並んでいるものである。 このため、部屋の明るさを変えるためにわざわざ部屋の入口に移動したり、 スイッチ操作を試行錯誤したりすることがよくあるが、 そのような無駄に対する疑問を持っている人は少ないと思われる。 「電灯は部屋の入口のスイッチで操作するものである」と思い込みが強ければ、 何故部屋を暗くするために部屋の入口に行かなければならないのかを 疑問に思う機会は少ないであろう。

hueのような電灯が普及すれば、 もっとサエたやり方で電灯を制御することが可能になるので、 「何故これまで部屋の入口で電灯を制御していたのだろう?」と感じる人が増え、 もっと良い調光システムが工夫される可能性も増えるだろう。 hueのようなシステムが普及することによって、 ユーザの意識が徐々に根本的に変わっていって欲しいものである。

Suicaの普及により「電車に乗るときは切符を買うものだ」という意識は消滅した。 「映画を見たいときはDVDをプレーヤにセットするものだ」とか 「音量を変えるときはアンプのボリュームを回すものだ」のような意識はまだ存在すると思われるが、 電源配線の都合や映像ソースの仕組みや音響機器の構造といった従来機器の構造に依存した各種の操作方法から奪却し、 そもそも本当にやりたいことを簡単に実現するための操作方法やシステムの仕組みを考えていくべきであるし、技術的実現も可能になっている。 hueのような機器が普及することによって古い意識が少しずつでも変わっていってほしいと思っている。