大昔の雑誌記事で書いたことがあるし、 以前のブログ記事でも書いたことがあるし、 最近出した本でも 書いているように、 階層型のフォルダ名とかファイル名とかは憂鬱なものだと思っている。

デジカメ写真をうまく管理できなくて困っている人は多いのではないだろうか。 「DSCM1234.JPG」のような謎ファイル名は全く検索の役にたたないし、 適当なフォルダ名をつけて保存すると名前を忘れて紛失してしまうことがあるし、 人から貰ったデジカメ写真はどこに置けばいいのか悩むし、 パソコンで写真をうまく管理するのはかなり難しいことは間違いない。

こういった面倒を避けるために 写真管理のWebサービスやアプリケーションを使っている人は多いだろうが、 Webサービスはいつ無くなるかわからないし、 将来にわたって同じアプリケーションを使い続けられるかは不安である。 大事な写真はわかりやすい形で自前で管理しておきたいものである。

写真の管理で一番大事なのは 写真データそのもの であり、 写真を捜すときに重要な要素は 写真の属性を示す タグやコメント撮影時刻撮影場所 などであろう。 これらを簡単に安全に管理できるのならば、 フォルダ名やファイル名に悩んだり特殊な管理システムを使ったりする必要は減るはずである。

写真ファイルの中身からMD5のようなハッシュ値を計算し、 その値をファイル名として写真を保存しておき、 ハッシュ値とタグ/時刻/位置情報との関連だけ記録しておくようにすれば、 キーワードや時刻や場所から写真をすぐに検索できる。 似た写真が沢山ある場合でも、 代表的な写真にキーワードをつけておけば、 時刻が近い他の写真を見つけることができるので、 全部の写真にキーワードをつける必要はない。 私は長年にわたってこういう単純な方式で写真を管理している。

写真や動画の場合は内容からの検索が難しいし ファイル名を考えるのも難しいため こういう方法が有効なわけだが、 実はあらゆるファイルで同じ方法が使えそうな気がしている。 どこからかダウンロードしたPDFなどを保存しておきたいとき、 内容をもとにしてフォルダ名やファイル名を考えるよりも、 ファイル名はMD5のような番号にしておいて キーワードやコメントだけきちんと書いておく方が楽だし 後から検索しやすいはずである。 編集中のテキストファイルのように中身が刻々変化するファイルの場合は セーブするたびにファイル名が変わってしまうと嫌かもしれないが、 異なるバージョンのファイルに異なるファイル名がついてるのだと考えれば 気にならないかもしれない。

あらゆる情報やファイルをこういう方法で管理できれば ファイル名を考える面倒や階層的ファイルシステムの呪縛から逃れられるので 幸せになれそうな気がする。 現在のところ、自分が編集したファイル以外しか試していないのだが、 普通のメモ書きなどでもファイル名を気にしなくて良い方法を考えたいと思っている。