誰もが普通に使っているコピー/ペースト操作では、 コピー操作をした文字列がコピーバッファに入っているという状態がユーザに見えないのが普通であるため、 コピー操作を行なったという事実をペースト完了までユーザがずっと記憶しておかなければならないという心理的な負担がかかってしまう。 コピー/ペーストは短期的な処理なので、 この程度のことは問題だと思っていない人がほとんどであろうが、 小さな負担でも蓄積されると大きなイライラになるだろう。 また、入力システムの状態が日本語モードなのか英語モードなのかわかりにくい日本語入力システムがよくあるが、 このようなシステムをうまく使うためには現在の入力モードについて頭で記憶しておく必要があるので心理的な負担が大きい。 これも小さな問題かもしれないが蓄積されるとイライラが溜まる。
現在の状態を常にわかりやすく可視化するようにすればこのような小さなイライラは解決できる。 コピー操作後は常にコピーバッファの内容をカーソル周辺に表示しておけば、 コピー内容を忘れたりペースト操作を忘れたりすることはなくなるだろう。 また入力モードを常に明示しておけばモードを間違えることは減るだろう。 いずれの場合でも、 目に見えない秘密の状態や情報をなくすことによって様々な心理的負担が減ることは確かである。 クリアファイル整理法の場合、 関連情報を全部計算機に書き出しておけば、 書類のタイトルやカテゴリを覚えたり考えたりするための心理的負担を減らすことができると思われる。
秘密情報を覚えるための心理的負担が最も大きいのはパスワードであろう。 パスワードはどこかに書き出すわけにはいかないから可視化によって問題を解決することができない。 パスワード管理の負担を劇的に減らす方法はすでに開発ずみなので、 後で詳しく紹介するつもりである。
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